原始反射

思い通りに身体が動かないのは原始反射の影響?

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原始反射とは?
原始反射は人が成長していく過程の中で現れる反射的(何らかの刺激を受けた時に自動的に動くこと)な身体の動きで、主に胎児期から新生児期にみられます。
胎児や新生児は、自分の意思によって身体を動かせるほど大脳が発達していません。
その代わりに脳幹と呼ばれる原始的な部位で身体を自動的に動かしながら、自然に成長・発達をする力を持っています。

原始反射には手や足の動き、首の動き、全身を含む動きなどいくつかの種類があります。

原始反射の統合プロセス
各反射は、反射の動きがみられる(出現)→頻繁にこの動きがみられる(発達)→この動きがみられなくなる(統合)
というプロセスを経過していきます。

ひとつの原始反射が、また別の原始反射をサポートするように出現→発達→統合し最終的に反射的な動きの世界から、人間が自分の意思で動けるように脳を徐々に発達させていきます。

大人になってもずっと機能しつずける原始反射と幼児期の関係
本来原始反射の使命は、乳児期に発現して赤ちゃんが三次元空間での身体の使い方を学びながら成長していくことをサポートするためにあると考えられます。

二足歩行を始める頃になると、今度は姿勢反射と呼ばれる大人になってもずっと機能し続ける反射が現れ、原始反射の役割は果たし、徐々に見られなくなるはずです。

脳や脊髄に損傷を及ぼすような深刻な事故やパーキンソン病が進行してくる時などには、そこまで見られなかった原始反射の動きが再び活発に見られるようになることがあるため、原始反射はなくなるものではなく、姿勢反射がその上に積み重なるように現れることによって、下に埋もれていくと考えるといいでしょう。

原始反射が抑制されずに残ってしまうと?
原始反射が抑制されずに残ってしまった場合、次に起こるべきより高等な脳のセンサーからの随意的運動を促進させる「姿勢反射」の発達を阻害し、カラダのコントロール能力向上に大きな影響を与えることがあります。
例えば、流暢で知的な歩行を促進するために重要なプロセスである「ハイハイ」の発達が損なわれたり、バランスのとれた正確な動きや平衡感覚の発達が遅れたりします。
そうなると、クロスパターン(交差運動)の動きを邪魔し、身体のオリエンテーション能力や空間認識力など「見ること」にも大きな影響を与え、学業でのつまずきを起こすことがあります。
クロスパターンの発達の阻害は、身体能力の発達を阻害することにもなり、アスリートにも大きな問題となります。
体格も良く、モチベーション高くトレーニングに励んでいるのになかなか結果が出ない、上達しない原因には残存する原始反射の影響がある可能性があります。
特にジュニア年代では顕著となることがあります。

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発達のヒエラルキー
発達の土台をつくることは非常に重要です。
乳幼児期の意味のある体験をして、目と脳と身体のコーディネートされた運動パターンの発達が、「言語」や「思考」「概念化」といった学校での学習の基礎となります。
発達のベースとなる部分の積み木をしっかりつくることが、感覚を統合させる安定した学習や運動に向かうための土台づくりなるという考え方です。
原始反射を克服するには?
様々な遊びを通しての動きから感覚刺激を主体的に受け取り、小さな「できた!」の成功体験をたくさん経験することが重要です。
はじめは「できなくてもいい」からスタートし、とにかく遊び感覚でやりたくなる意欲を高め取り組みを持続できることが重要です。
そして、その遊びからしっかりとその感覚刺激を消化し、次の感覚を受け取れる準備につなげると、徐々に「できる」ようになっていきます。

そのためには、遊びを通し意味のある動きを繰り返し行い、感覚の偏りをなくすことが必要です。
そして基本機能ができてくると、自分の体の状態をよく知ることや目的を持って行動できるようになり、秩序ある行動などの能力が積み上がり、自分の力を発揮して物事を取り組むことができるようになります。

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